脳梗塞で右半身不随になった男の軌跡


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カテゴリ:リハビリテーション入院(15話)( 15 )

3-15 退院、そして自宅療養へ

「退院されるって、奥さん大丈夫ですか?」

看護師は心配そうに尋ねた。


入院生活の様子からは自宅療養なんて到底早すぎる状態だった。

看護師やケースワーカーは

身体的にも精神的にも回復してない夫を看病する妻を心配した。


妻は何も答えられなかった。

だが心を決めた。

もうやるしかないのだ。



帰宅先に選んだのは自宅ではなかった。

自宅は不便なところにありトイレやお風呂も狭く、階段も急で、

おおよそ巨体の夫を介護できる場所ではなかったのだ。


都内で働く娘と同居し、

段差の少ないマンションにしばらく住むことにした。

妻は勤めを辞めた。



退院の日はあっけないものだった。

医師と看護師に挨拶をして、

迎えに来た息子の運転で新しい生活の場へ向かった。



こうして、またさらに大変な毎日に陥ることをしらずに、

我が家は新生活に向けて動きだしたのだった。


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by higeji-musume | 2011-02-27 22:46 | リハビリテーション入院(15話)

3-14 退院への決意

脳梗塞で倒れ、病院に1ヵ月半入院したあと、

リハビリテーション病院に移り3ヵ月がすぎようとしていた。


眠れない日々が続き、病院嫌いな男に限界が来ていた。


脳の病気のせいか、今までどんなことも気にせず豪快に生きてきた男にも

日々暗やみのような不安がのしかかっていた。


人は不安が募ると依存心が芽生えるのか、

タバコへの依存も高まり、タバコが無いと不安も強まった。

そして妻へ何度も、今日は何時にくるのか、まだ来ないのかと

電話をするようになっていた。


今まで身勝手に家族よりも男のロマンだと生きてきただけに、

この妻への依存行動も彼にとっては異常な事だった。


しばしば精神的にパニックに陥ることもあり、

そばで見ていた妻も、夫の入院生活の限界を感じた。


そして退院したいという夫の願いを妻は受け入れることにしたのだった。


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by higeji-musume | 2011-02-23 21:40 | リハビリテーション入院(15話)

3-13 OT教室

OTとは作業療法士のことで、

ここのOT教室は先生が全て若い女性で華やかだった。


ここでは、マヒしている右手の訓練をしたが、

ほとんど動かすことができなかった。

担当のKO先生は探究心旺盛で、

その指導に本人もなんとか応えようとしたが、身体は動かなかった。


それよりも睡眠の相談が主となっていた。

夜中、足が突っ張り眠れないこと、寝返りができないこと、

ベットが小さすぎること、色々な訴えにKO先生は親身になってくれた。

大きな枕を用意してくれたり、手や足の置き方など考えてくれた。


かくしてこのOT教室で右手の回復はみられなかったが、

明るい会話で関西弁も徐々に復活していった。


そしてなにより「笑い声と笑顔」が

心のリハビリに大切な要素なのだと感じた時間となった。



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by higeji-musume | 2011-02-21 15:49 | リハビリテーション入院(15話)

3-12 PTの先生

ここのリハビリ室にはPTとOTの先生がいた。


PT,すなわち理学療法士の担当は

細身で真面目な若い男のKA先生だった。


PT一筋の頑固さを言動の中に見せながらも

時折見せる笑顔と、眼鏡の奥の優しい目が印象的であった。


リハビリの基本動作から

手足の屈伸・腹筋運動などの指導を受けた。


懸命さの見えないサボり好きの男に

KA先生は熱心に声をかけ取り組んでくれた。



限られたリハビリの時間。

「眠ったらだめですよ、リハビリにならないから」

「今、腹筋してなかったでしょう、見てましたよ」

「電気治療の時は倒れたら危ないから眠ってはいけません」

「さあ、真面目に!」


KA先生の声かけに、いかに真剣さの足りない男かが

わかるであろう。


こんな男でもKA先生は麻痺している右足親指のケアに

心を砕いてくれた。


患者のことを真剣に向き合ってくれる若さ溢れたスタッフが

ここにはいた。







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by higeji-musume | 2011-02-20 15:47 | リハビリテーション入院(15話)

3-11 担当医師の言葉

リハビリへの真剣さの足りない男を、

やる気にさせるにはどうしたらいいのか…

家族は毎日考えていた。

そして家族以外にも、

この男が真面目にトレーニングをしてくれたら…と考えてくれる人たちがいた。


リハビリテーション部長のA先生は、

昔ラガーマンでがっちりとした体格だった。

動かなくなった右手足のリハビリを目的とする病院の指針に基づきながらも、

感性の復活と左手を使って文・絵を書けるようになりたい男の意志も尊重してくれた。

そしてトレーニング中に居眠りするような、喫煙室にいりびたるような、

そんな不良男の全てを見透かしているようだった。


優しい語り掛けに厳しい視線、A先生はこうして入院中、男をバックアップしてくれた。

「いまに走れるぐらいになるよ」

男は先生が言ったこの言葉を信じ、忘れずに今も歩んでいる。


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by higeji-musume | 2010-05-12 22:37 | リハビリテーション入院(15話)

3-10 セブンの会

七人の男達は、入院中にも関わらず、

喫煙ルームでよく顔を合わせた。


多人数をまとめ、

皆を楽しませることを天性の特技としていた男は、

あっという間に「セブンの会」を立ち上げた。

セブンというのは、自分達七人を意味し、

そして煙草の銘柄「セブンスター」をかけていた。


誰しも不本意な入院生活である。

40代から60代の いわば働き盛りの男性陣。

セブンの会は入院中の彼らの所属部署となり、

社会生活の居場所を失っていた彼らの心の居場所になったのではなかろうか。

そして、みな片麻痺で、

喫煙の罪悪感が仲間意識を強めた。


とにかく父にとって、

「皆を楽しませたい。皆に復帰への希望を持たせたい。」

そんな気持ちが再び起こり

入院生活の意義ができたようだと娘は喜んだ。


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by higeji-musume | 2010-02-23 21:21 | リハビリテーション入院(15話)

3-9 仲間

リハビリテーション病院の喫煙ルームから

男たちの談話する声が聞こえた。


脳梗塞で倒れ、後遺症を負い、

リハビリの為に入院している男達だ。


「言わば病院内の不良グループだね」

喫煙ルームから病室に戻ってきた父親に

娘は飽きれ顔で言った。


ドクターストップがかかるほどのヘビースモーカーだった末に、

脳梗塞で倒れ右半身不随・講音障害をおいながら、

性懲りもなく再び毎日煙草を手にしていた。


それも今では喫煙仲間まで出来ているのだ。

呆れすぎて小言も出ない。が、娘の本心だった。


しかし、目的はさておき、父に仲間ができたことには喜んだ。

この男は、集団の中で映える男なのだ。


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by higeji-musume | 2010-01-27 21:28 | リハビリテーション入院(15話)

3-8 たばこ依存

タバコ発覚の日、タバコについて、担当ドクターから話があった。

「タバコは血管を細くしますから、やめましょうね。」

「タバコを吸っているところを見かけたら出ていってもらいましょう。」


先生から苦言があったにも関わらず、

この日から彼のポケットからタバコが無くなることはなかった。


タバコを吸うと頭がすっきりするようで、精神的に落ち着くようになった。

しかし、タバコが残り少なくなると、さらに落ち着かず慌てふためいた。

そして家族がタバコを嫌がっていることは理解しているので、

タバコの話題が出ると、精神的にも不安定になるようだった。


依存症。

これまたなんともこわい病気だ。


アルコール依存、ケータイ依存、人間関係の依存、薬物依存、

いろいろな依存症があるが、弱い人間が陥るのか、はたまた誰もがなりうる現代病か…。


依存症からはなかなか抜け出せない。

そしてその依存者を支える家族は、どうするのがいいのだろうか。


お金の問題を考えず、

本人の回復を望まず、

これ以上の介護もしなくて良いのなら・・・

このタバコ依存症を見て見ぬふりし、

本人の心行くまで好きなだけタバコを吸わせ落ち着かせてあげるのだが…。


タバコは決して体に良くないし、再発の可能性も高まる。

別の病気を引き起こす事だってある。

社会復帰を本人だって望んでいるのに、見て見ぬふりなどしていいわけもない。


家族だからこそ、本人の将来を考えるからこそ、

もうタバコには手を出してもらいたくないのだ。



しかし、タバコを取り上げると精神的に壊れてしまう。

家族には止めさせることはできなかった。

これは本人が自分と戦い打ち勝つしかない事なのだ。

悲しいながら、家族は何もできない。本人次第なのだ。




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by higeji-musume | 2009-09-18 21:03 | リハビリテーション入院(15話)

3-7 たばこ、再び・・・。

入院71日目、脳梗塞で倒れてから2ヶ月と1週間が経ったある日。

妻は、朝、病院に着くとリハビリ室へ夫を見舞いに行った。


リハビリ中の夫に近づくと、ポケットの中に何かが見えた。

まさか?!

タバコだった。

妻は絶望感に襲われた。


「このタバコどうしたの?」

夫はうろたえながら言い訳をする。

「会社の人が持ってきた。」

脳梗塞で入院中の人にタバコを見舞い品にするものだろうか?

「誰?!その人に電話するわ。」

「……いや、リハビリ仲間にもらった」

患者同士でタバコのやりとりとは……。

「じゃあ、先生に相談するわ」

「……いやホントは自分で買ったんだ…」

「・・・・。」



四本しか吸ってないから大丈夫だ。

まだ社会復帰はおろか、自宅療養までも長い道程なのに……。

夫の言い訳を聞きながら、

自分の血が逆流し怒りが込み上げていくのを妻は感じていた。



また元気になってほしい。また大好きな仕事をしてほしい。

その為に、自分の疲れを顧みず、

介護と家事と仕事を毎日フル回転でこなしていた妻には、

ただただショックな一日であった。


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by higeji-musume | 2009-09-12 21:21 | リハビリテーション入院(15話)

3-6 タバコの魔力

男は、キングヘビースモーカーだった。

一日100本を越えるタバコ。

広告業界で働く彼にとって売り物は頭の中。

頭を活性化するにはタバコは必須アイテムだった。


しかし一方でタバコは魔物であり、体を蝕み、逃れなくなる。まさに麻薬だ。

30年近く吸い続けた男は、

2ヶ月前に脳梗塞となり、半身不随になり精神的にも壊れた。



家族はその痛手でもってタバコはもう吸わないだろうと期待していた。

倒れてからというもの、妻にとっても本人にとっても、

未来の見えない苦痛の日々なのだから・・・。



しかしタバコの魔力からは、そうは簡単には逃げられないのだ。

タバコの魔力というものは、これほどの力をもつものなのだろうか。

精神的強さがなくては、尚更のことだった。


入院して二ヵ月と少し経った頃、妻にとってショックな事実を知ることになる。


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by higeji-musume | 2009-09-09 21:57 | リハビリテーション入院(15話)